2024年新年

        

年末年始を息子たちと過ごし、岐路高速道路に上がろうとしたところで大きな揺れに・・・
又大災害が起きてしまった。
新年のあいさつもはばかられるような・・・
かけがえのない人を、家をなくされた方々の前に
何も言えない。
本当に生きるということは、つらい。
一番下の消防士の息子にも、現地派遣が決まった。


昨年目標の50冊を読み進めて
今年初めに出会ったのが、この本。
本当に重たい本だった。
過酷な残酷な人生の終焉を、認知症と共に生きることになった主人公が残した言葉。


”死して後、そうした壮大な空間に向かうことになろうなど、想像さえしないまま、
自分はこの世のささやかな1本道の途中にごくごく短い期間存在し、わずかな距離を黙々と歩き続けていたにすぎない。ちっぽけな虫のように。
だがこの先私の命が消滅しても、私の中の通り過ぎた想い想年のようなものは消えずに残される。それは夥しい数の死者たちの有象無象の思いのかけらと絡み合い、睦あい渦を巻きながら天に飛翔し、宇宙の寂寞とした闇の中を安らいだように漂ったあげく、やがて無数の、私同様、かつて生きた者たちが残した魂の、目に見えないほどの小さな金色の粉と溶け合うのだ。そしてそれはやがて、名もない星雲に姿を変え、淡い光を放ちながら永遠に残されるのだ”


この言葉が、静かに私の中に沈殿していく。


今年もよろしくお願いします。