霊峰剣山に住む人

            

手に取ったこの本は、暴力も殺人も嘆きも性描写も出てこない。
孤児という自分の運命を受け入れ、親子の契りを結んだ四国の霊峰 剣山の神職のもとで
穏やかに人を、自然を愛し、当たり前のように神の山をあがめる毎日を刻む。


作者の作品は花柳会を舞台にした苛烈な作品も多いが、生涯を描くことがおおいと作者がいう。でもこの作品は主人公は20代のまま終わっている。
この先の人生が見えるのだそうだ。


分をわきまえる というと何かネガティブな感じがするが


こんな風に穏やかに周りにあふれる大切なものを、慈しむことのできる人は
本当に幸せなのだろうと思う。


偶然にも昨年剣山に上った。
その昔、藤原氏?かな
修練場があったといわれるほど、広い頂上は歩道が付き、刻々と変わる山々の景色や空の色が、見られ本当に美しかった。
登山道には最強の縁結び神社 大劔神社 や多くのミステリースポットがある。


暖かくなったら、又行ってみようかと思う。


作者は年を取った、主人公に会えるだろうと結んでいた。